甲状腺がんを疑う4つのポイント
甲状腺がんの多くが生命にかかわらないため、小さい甲状腺がんでは手術をしないこともあります。しかし、声がかすれたり、飲み込みにくくなったり、命にかかわる場合もあります。
甲状腺がんを疑うポイントは
- のど仏から胸骨の間を触るとゴリゴリとした硬いしこりがある。(普通がんでもいたくありません。)
- 首にもかたいしこりがある。
- 声が急にかすれて治らない。
- 急に水を飲むとむせるようになった。(むせは1週間ほどで自然に治ることが多いので注意が必要です。)
このような場合は耳鼻咽喉科での診察が必要です。
ただこれらの症状はがんがある程度大きくならないと出てきません。
小さい甲状腺がんを見つけるためには超音波検査が必要です。
のどの違和感が長く続く方に甲状腺腫瘍がある場合があるので、そのような方は耳鼻咽喉科で超音波検査をお願いしましょう。
口腔がんを疑う10のポイント
口腔(こうくう)がんとは、舌・歯ぐき・ほっぺの内側(頬粘膜)・舌と歯ぐきの間・口の天井の硬い部分(硬口蓋)などにできるがんの総称です。
近年増えてきているがんです。
がんなので命にかかわる可能性があるのはもちろんですが、話したり、物を食べてたり飲み込んだり、呼吸することにも障害が出てくる可能性があります。
早期に発見することがとても重要です!
口の中にできるがんなので、お口をあけて鏡で見たり、ご家族に見てもらうことによって早期発見が可能です。
- なかなか治らない口内炎がある。
- あやまって噛んでしまったところがなかなか治らない。
- 入れ歯やとがった歯で傷つけたところが治らない。
- 歯を抜いたところが腫れてきて治らない。
- ただれた粘膜のところがあり治らない。
- 触ると硬い腫れやしこりがあり小さくならない。
- 以前からこすっても取れない白いところや赤いところがある。
- こすると血が出やすいところがある。
- 白っぽいかさぶたのようなものに覆われているところがある。
- 食事のときなど物を飲み込む時に痛みがある。
- あごの下にしこりがあり大きくなってきた。
これらのうち1つでも当てはまる症状がある場合は耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。
「痛くないから大丈夫と思っていた」という方が多くいらっしゃいます。小さいうちは痛みを伴わない事が多いので注意して下さい。
喉頭がんを疑う6つのポイント
喉頭とはのどぼとけのことです。声帯があって声を出したり、食べ物が肺に入らないように調節しています。
喉頭がんになると現れる症状は
- 一カ月以上声がかれていて治らない。
- のどに異物感があり、場所が一定している。
- 硬い食べ物を飲み込んだ時に痛みがでる。
- 痰に血が混ざる。
- 呼吸が苦しい。
- 首にしこりができて大きくなってくる。
これらのうち1つでも当てはまる症状がある場合は耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。
また喫煙と飲酒は喉頭がんの発生に関連があります。タバコをたくさん吸われる方や、お酒をたくさん飲まれる方は喉頭がんのリスクが高いため年に一度は耳鼻咽喉科でのチェックをお勧めします。
咽頭がんを疑う7つのポイント
咽頭とは鼻の奥から食道の入り口までを言います。
3つの部分に分かれていて上から「上咽頭」「中咽頭」「下咽頭」と続きます。
がんが咽頭のどの部分にできるかによって症状が異なりますが、咽頭がんを疑う症状としては
- 片方の耳のつまった感じや、難聴が続いて治らない。
(成人の場合、咽頭がんが原因で中耳炎になる事があります)
- のどの一定の場所に異物感や違和感があり治らない。
- 食べ物を飲み込む時にいつも同じところが痛かったり、しみたりする。
(飲み込む時に耳の奥が痛いと感じることもあります。)
- 食べ物が飲み込みにくい。
- 片方の扁桃腺だけが大きくなってきた。(痛くない場合もあります)
- 声がかすれて治らない。
- 首にしこりができて大きくなってきた。
などがあります。
これらのうち1つでも当てはまる症状がある場合は耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。
また、ヘビースモーカーやたくさんお酒を飲まれる方は下咽頭がんのリスクが高いため年に一度は耳鼻咽喉科でのチェックをお勧めします。
「痛くないから大丈夫と思っていた」という方が多くいらっしゃいます。小さいうちは痛みを伴わない事が多いので注意して下さい。
上顎洞がんを疑う10のポイント
顔の骨の中には空洞があり専門的には副鼻腔(ふくびくう)と呼んでいます。
副鼻腔に炎症が起こると副鼻腔炎(ちくのう症)です。
鼻の中や副鼻腔にもがんが発生することがあります。
鼻・副鼻腔がんの大部分が上顎洞がんです。
上顎洞は副鼻腔の中では最大の空洞で、頬骨の出っ張りと歯の間にあります。
上顎がんが小さいうちは自覚症状がなく気づきません。
がんが大きくなってくると(ステージIII以上になると)
- 片方の鼻がつまる。
- 片方の鼻から鼻血が出る。
- 片方の鼻から臭い鼻水が出る。
- 物が2重に見える。
- 片方の目から涙や眼ヤニが出る。
- 歯茎が腫れて治らない。
- 歯の痛みが治らない。
- 頭痛が続く。
- 片方の頬が痛い。
- 顔がだんだん腫れてきた。
等の症状が出てきます。
これらのうち当てはまる症状がある場合は耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。