閉塞性睡眠時無呼吸症候群
- 誘因・原因
- 肥満や扁桃肥大、小さなあごや後ろに下がったあごなど。
- 病態
- 睡眠中、吸気時に上気道(気道のうち鼻腔~鼻咽腔~咽頭・喉頭)が閉塞し無呼吸となります。
- 症状
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- 著明ないびき、夜間に頻繁に覚醒するので日中に過度の眠気が出ます。
- 短期覚醒が交感神経を興奮させ高血圧になりやすくなります。
- 間欠的低酸素血症は酸化ストレス、インスリン抵抗性、血小板凝集能を増加させたり、多血症を招いたりするので、虚血性心疾患、糖尿病、高脂血症、メタボリック症候群になりやすくなります。
- 日中の眠気による社会生活への不適応は抑うつ気分やうつ病にもつながります。
- 検査・診断
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- 睡眠中に呼吸運動、血中酸素濃度、鼻・口の気流を記録する無呼吸簡易モニターにより診断します。
- これで診断できない場合は入院の上、脳波、筋電図、心電図、眼球運動、呼吸運動図を記録するポリソムノグラフェィー(PSG)を行います。
- 無呼吸低呼吸指数(睡眠1時間当たりの無呼吸と低呼吸の合計)が5以上で前述の自覚症状があれば睡眠時無呼吸症候群と診断します(ただし無呼吸低呼吸指数が15以上あれば自覚症状の有無を問いません)。
- 治療
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- 扁桃肥大があればその治療(切除術)が効果的です。
- 肥満があれば減量しましょう。
- 軽~中等症の睡眠時無呼吸症候群の方で、あごや顔面の形態が原因と考えられる場合は口腔内装置(マウスピース)を歯科に依頼し作成します。
- 重症の睡眠時無呼吸症候群の方は、経鼻持続陽圧送気(CPAPシーパップ療法)を行います。鼻マスクを装着し、陽圧を加えて気道内圧を高め無呼吸を改善させます。