鼻出血症
- 誘因・原因
- 鼻をこする、指を入れる、鼻をかむ、くしゃみなどの刺激や、アレルギー性鼻炎などの炎症により鼻の粘膜や血管が傷んだ結果生じます。一度出血すると、かさぶたがついたりするのが気になり、つい鼻をいじってしまい繰り返すこととなります。
- 病態
- ほとんどが鼻の入り口近くからの出血です。この部分は血管が豊富なうえに粘膜が薄く、しかも指先が届くため鼻出血の誘因がそろっています。
- 検査・診断
- 出血時間や止血の仕方、出血量、既往歴、内服薬を確認します。
鼻内をよく観察します。小児用ファイバースコープなどを用いて、出血部位の確認する場合もあります。
アレルギー性鼻炎
- 誘因・原因
- ハウスダストやダニ、スギやヒノキ科の花粉などのアレルゲンを吸入することにより発症します。
- 病態
- アレルゲンに反応するIgE抗体を持っている人がアレルゲンを吸入すると、化学伝達物質が放出されくしゃみ、鼻水、鼻づまりが生じます。
- 症状
- 「鼻をいじる、鼻をこする」、「鼻がたれる、鼻をすする」、「いびき、口を開けて寝る、口呼吸」などの仕草をします。
- 検査・診断
- 上記症状がある患者さんの、鼻粘膜の状態を評価します。血液検査で原因を調べる場合もあります。
急性鼻副鼻腔炎
- 誘因・原因
- 上気道や鼻腔のウイルス感染に続発することが多いですが、急性鼻副鼻腔炎を起こすのは細菌です。
- 病態
- ウイルス感染に続いて起こる、鼻副鼻腔の細菌による二次感染です。
- 症状
- 発熱は37度の微熱から38度台まで様々です。鼻汁は黄色膿性でにおいがあります。通常は左右どちらかの副鼻腔に生じ、鼻をかもうとしてもうまくかめないことが多いです。後鼻漏が湿った咳の原因になります。
頭が重く痛い感じがします。
頬部が赤くなったり、腫れるのはかなり重症です。まれに眼窩内や頭蓋内の合併症をきたすこともあります。 - 検査・診断
- 鼻鏡や小児用ファイバースコープなどで鼻内の観察を行います。口腔内から後鼻漏がないか確認します。
レントゲンやCTなどで副鼻腔に陰影がないかを調べます。
細菌培養検査を行います。
慢性鼻副鼻腔炎
- 誘因・原因
- 急性鼻炎や急性鼻副鼻腔炎から移行します。最初はウイルス感染で、細菌感染がその後加わることが多いです。アレルギー性鼻炎があると鼻粘膜の腫脹や鼻汁が多くなり長引きやすくなります。他にアデノイド増殖症や集団保育のお子さんは長引く傾向があります。
- 病態
- 粘膜の繊毛運動の障害が起こります。そのため副鼻腔の換気・排液障害が生じ炎症が長期化します。
- 症状
- 膿性・粘性鼻汁、湿った咳、鼻閉、頭重感、嗅覚障害など
- 検査・診断
- 鼻鏡や小児用ファイバースコープなどで鼻内の観察を行います。
レントゲンやCTなどで副鼻腔に陰影がないかを調べます。
細菌培養検査を行います。